広島の本|広島の出版物と、広島にゆかりのある出著者・出版物を検索・紹介するWebSite

有名人ブログ

元RCCスポーツアナが熱烈応援!

こちら赤ヘル実況席

緒方新監督に『機動力野球』を期待する

2014/10/28

 緒方新監督の現役引退試合となった2009年10月10日のカープの最終戦。舞台となったマツダスタジアムは、3万有余の大観衆で真っ赤に埋まった。
 8回、ウグイス嬢の「バッター緒方」のコールに、球場は熱狂的な声援と激しくメガホンを打ち鳴らす音が沸き起こった。緒方の一振りは巨人の先発ゴンザレスの初球であった。打球は快音を残して右中間を真っ二つに破った。白球は広い外野を勢いよく転がる。必死で走る緒方。途中、持病の腰痛が影響したのか、足が2度もつれたが、一気に二塁キャンパスを蹴り三塁へ向かった。そして気迫のヘッドスライディング。その瞬間、観衆は固唾(かたず)を呑(の)んで塁審の判定を待った。「セーフ!」のコールの瞬間、球場は興奮の坩堝(るつぼ)と化した。
 この三塁打は緒方が信念とした『全力プレー』が生んだもので、選手としての集大成でもあった。さらに「カープ伝統の機動力を継承せよ」という、後輩へのメッセージが込められた三塁打と言えないか。こうして緒方は23年間の選手生活にピリオドを打った。 

 このあと5年間のコーチ生活を経て来季はカープの采配を振るう。緒方新監督は就任の記者会見で、投手力を含めた『守りの野球』を徹底する。攻撃では『機動力野球』を全面に押し出す。『接戦に勝てる野球』を目指す、と語った。これらの発言はカープの伝統野球を感じさせる。特に筆者が期待するのは『機動力野球』である。 
 緒方は、86年にドラフト3位でカープに入団した。このとき「セールスポイントは守備と走塁です。機動力のある選手だと思います」と己をアピールしたが、この発言どおり、緒方は守備と走塁にこだわり続け、レギュラーの座を獲得した。23年間の現役生活通じて緒方の入団時の発言に偽りはない。通算268盗塁を記録、3度の盗塁王、5度のゴールデングラブ賞を獲得したことがそれを証明する。監督になってもこれらの変更は考えられない。守りの野球は1点を争うゲームが増え、これに勝利するには機動力が欠かせないからだ。 

 緒方監督の初仕事はドラフト会議であった。惜しくも投手の有原(早大)は4球団が競合し逃したが、その代り新監督が映像を見て一目ぼれした野間(中部学院大)の交渉権を得た。これには緒方監督の強い希望が考慮された。左の巧打者の野間は50達吃達犬僚啾で、遠投110mの強肩の持ち主だ。その存在は緒方野球に欠かせないものとなろう。この指名からも新監督の『機動力野球』が見えてくる。
                                                        (10月27日記)


こちら赤ヘル実況席

プロフィール

鈴木信宏(すずき・のぶひろ)

1946年東京生まれ。1970年スポーツアナウンサーとして中国放送(RCC)入社、カープ戦の実況はを800試合以上を数える。2006年定年退職後も、カープへの熱い思いを胸に、執筆などで活動する。著書に「カープとともに真っ赤に燃えたマイク人生」(文芸社)がある。

有名人ブログ一覧

Copyright@Themediasion.co.,ltd  相互リンクはこちら
株式会社ザメディアジョン 新卒採用のコンサルティング・アウトソーシング 広島グルメwalker 合同説明会&就職勉強会