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元RCCスポーツアナが熱烈応援!

こちら赤ヘル実況席

開幕だ! 復活なるか、赤ヘル伝統の機動力野球

2010/03/24

 緒方の引退試合となった昨季のカープの最終戦。舞台となったマツダスタジアムは、3万人を越す大観衆で真っ赤に染まった。
 8回、現役最後の打席に入った緒方の一振りは右中間を真っ二つに破った。白球は広い外野を勢いよく転がる。必死に走る緒方は足を痛めていた。途中痛みで足がもつれたが、一気に二塁キャンパスを蹴り三塁へ。そして気迫のヘッドスライディング。その瞬間、観衆は固唾をのんだ。「セーフ!」の塁審のコールに球場は赤い興奮の坩堝と化した。この三塁打は「機動力を継承せよ」という、後輩へのメッセージが込められているようであった。

 これを最後に緒方は23年間の現役生活に別れを告げた。弱小球団と揶揄(やゆ)された時代から黄金時代、その後のBクラスに甘んじるカープを、長年、放送人として見てきたが、緒方の引退は私の気持ちを複雑にさせた。カープは18年間優勝がなく、優勝を知る現役選手は前田(智)一人になったからだ。
 過去セ・リーグに63人の盗塁王が誕生した。カープ選手の延べ人数は15人を数える。これがカープ野球を「機動力野球」と呼ぶ理由だ。しかもカープの6度の優勝のうち、4度も盗塁王を誕生させた。いかに足を絡めて優勝したかという証しとなる。だが79年の初の日本一から30年の間、カープには高橋(慶)、正田、野村、緒方と、絶えず盗塁王を獲得した選手が存在したが、それも緒方の引退で途切れた。12年間カープには盗塁王が生まれず、チーム成績はすべてBクラスだ。これでは「カープ野球」イコール「機動力野球」という図式は成り立たない。

 今季、機動力野球を掲げて野村監督が誕生した。「(広く)素晴らしい球場だが、自分たちのものになっていない。広島がやらなければならない走塁を、他チームにやられていた」、「ただ走るのではない。考えた上で走る」と野村監督は強調する。
 もちろん、盗塁だけが機動力ではない。キャンプでは隙があれば果敢に次の塁を狙う「走りの足」と、広いグランドを考え、外野の中継プレーでの正確なポジション取りと送球でアウトを取りにいく「守りの足」のトレーニングを繰り返した。
 今季はスピード感あふれスリリングな野球が期待できる。伝統野球復活へのスタートは3月26日。目指すは「優勝」である。

こちら赤ヘル実況席

プロフィール

鈴木信宏(すずき・のぶひろ)

1946年東京生まれ。1970年スポーツアナウンサーとして中国放送(RCC)入社、カープ戦の実況はを800試合以上を数える。2006年定年退職後も、カープへの熱い思いを胸に、執筆などで活動する。著書に「カープとともに真っ赤に燃えたマイク人生」(文芸社)がある。

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