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『怪談実話コンテスト傑作選2 人影』

奥本 徹さん

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『怪談実話コンテスト傑作選2 人影』

2011/08/22

『怪談実話コンテスト傑作選2 人影』  (メディアファクトリー刊 520円)

 小さいころから怪談が好きで、ずいぶん読みました。水木しげるの『ゲゲゲの鬼太郎』に始まり、『霊幻道士』が流行っていたころはキョンシーにはまりました。中学生になると、自分でもちょこちょこと、ファンタジーやSFを書いてみました。しかし、怪談だけは踏ん切りがつきませんでした。怪談は一話が短いうえにストーリーの展開がある程度決まっているので、サラッと書いて終わりでいいのかなぁという思いがあって、なかなか書けませんでした。怪談を書いたのは今回の作品が初めてです。書いてみると、意外に楽しかったです。

 第2回『幽』怪談実話コンテストの存在を知ったとき、私は自宅の部屋でお酒を飲んでいました。「何かやりたいなぁ」と思い立ち、インターネットで検索しているとヒットしたんです。「あっ! これ、書けるんじゃないかな」と思いました。そして酔った勢いで書き上げました。翌日、酔いが冷めてから読み直し、「まぁ、書いたから送っちゃえ」と応募しました。
 募集のテーマは、体験談にもとづく怪談実話作品でした。私はたびたび変わった体験をします。地元の幽霊トンネルを弟と自転車で走っていると、急に弟の自転車のチェーンが切れたり……。いろんな怖い体験をしました。しかし、あとで心に残る体験は少ない。応募作品には一番おもしろかったことを選びました。それが、広島の黄金山で体験した話です。広島は両親の故郷で、黄金山には父方の先祖の墓があります。そこで起こった出来事は、ものすごく昔話に近い体験でした。墓石を蹴飛ばしたら本当にたぬきが出てきて、それがおもしろかった。その話にオチをつけてくれたのは祖父でした。「最近は、よくたぬきが出て、墓を荒らしとる」と。
 私は広島で生まれましたが、育ったわけではありません。でも、広島は私にとって特別な場所です。過ごしやすい気候だし、水とお酒がおいしい。今回の作品を広島の人が読んでどう思うのか、気になります。「そんなに田舎じゃない!」って言われるかもしれませんが(笑)
 
 この本には、受賞作とは別に、出版が決まってから書き下ろした『春風が吹く頃』も収録されています。こちらは特に怖かった話を選びました。私が高校生のときに横浜の自宅で体験した話です。本当に怖かった。いまだに部屋にお札を貼っています。ぜひ怪談好きな人に読んでもらいたいです。

 今後は長編にもチャレンジするつもりです。すでに中国風ファンタジー作品を書き上げました。怪談と同じように、中国の話も好きで、特に『老子』『荘子』はよく読みました。その関係で道教のことを調べたりもして、中国武術の「八卦掌」に興味を持ったのも当然の成り行きかもしれませんね。いろんなところでつながっていますが、元を辿ればすべて
キョンシーです(笑)
 いつかまた、広島を舞台にした作品を書きたいと思っています。小さいころから気になっているのは猿猴橋(広島市南区)です。猿猴って河童のことですよね。しかし、実際に河童の話を聞いたことがありません。ぜひ猿猴橋と河童の物語を書いてみたいですね。


※この本は第2回『幽』怪談実話コンテスト受賞者7名(奥本徹さんはその中の一人)の、体験談にもとづく怪談実話作品を集めたものです。

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奥本 徹さん

著者プロフィール

奥本 徹

おくもと・とおる/1985年、広島県生まれ。父親の転勤で小学3年から横浜市に住む。和光大学在学中に中国武術「八卦掌」にはまり、現在では指導員を務める。2010年、第2回『幽』怪談実話コンテストで『階段が終わらない』(出版時に『ある晴れた日に』と改題)が受賞。受賞作と書き下ろしの2話が『怪談実話コンテスト傑作選2 人影』(メディアファクトリー)に収録された。これを機に執筆活動を本格化させている。

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